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「空堀商店街界隈」案内

空堀商店街界隈は大阪中心部でも船場・島之内の商工の町から少し南東へはずれ、長屋を中心に庶民の暮らす住宅地として形成されてきた町です。豊臣秀吉が大阪城を守るため城の南側に築いた外堀が、現在の空堀商店街付近にあたり、水を入れない空の堀だったことから「空堀」と名がついたと言われています。戦下の大阪空襲を免れ生延びてきた長屋が、東西800mにわたる空堀商店街をはさみ南北に密集する形で残されている、いわゆる裏長屋の多いまちです。実に多くの路地が張り巡らされていて、町の地形をよく知る私たちでさえ、いつ行ってもワクワクして楽しい場所です。地域の人たちで大事に見守られる、祠やお地蔵さん、長屋先の水が打たれて風情の残る石畳やその石畳沿いには端正に育てられた植栽の瑞々しさ。

「あの人らは空堀の井戸よ」と仲のいい男女の表現にされた深い井戸。少し歩けば、直木三十五の碑とともに、大きな榎木を御神木とする榎木大明神が祭られている情緒溢れる坂。そこは、落語の中でもよく登場する熊野路への出発点であり、また暗峠に通ずるという昔からの交通の要所。空堀商店街界隈は昭和初期のノスタルジックに溢れ、織田作之助「夫婦善哉」の舞台にも描かれた風景の数々が残さているところです。

しかし、その楽しさとは裏腹に建築基準法に適合しない=建物単体では建て替えることができない長屋の密集地域が抱える問題があります。老朽化した長屋を解体して「さら地」にすれば建築許可をされないため空地になったままの状態や又、亜鉛鉄板等で安易に修理された長屋もまた朽ちていくことを繰り返しているばかりです。中には崩れたままの長屋もあり、極めて危険な状態でもあります。歴史あり、古くからのコミュニティの残る、素晴らしい地域でありながらその長屋や空地は売買や賃貸にも応えにくい状態です。現在の老朽化して手を付けられない状況は、家主(地主)や地域全体にとって深刻です。
ここ数年、町内会や商店街組合をはじめ、私たち(からほり倶楽部)の活発な活動のかいあって、まちの活性化につながりつつあります。若いアーティストやショップオーナー、空き家の家主から注目され、地域の内外を問わず集まる人達から起こされる行動は、着実に波紋として広がり、魅力あるまちづくりや長屋を救う手立てを予感させてくれます。

石畳
空堀の井戸
榎木大明神


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